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2009年5月アーカイブ

私が市民活動をはじめた10年前に比べ、まちの中のハード的なバリアフリーは進んできています。いつも利用する地元の最寄り駅も昨年の4月にエレベーターがつき、多目的トイレが設置されました。そのおかげで名古屋へ出るのが楽になりました。名古屋の市営地下鉄の各駅にも、現在エレベーターをつけたり、自動改札の幅を広げる工事が進められています。

エレベーターもそうですが、チェアウォーカーがまちの中で一番困ることは、トイレの問題です。最近ではデパートや駅や公共施設だけではなく、まちの公園や地下街などにも多目的トイレが設置されるようになり、チェアウォーカーだけではなく、子育て中のお母さんやお父さん、内部障がいの方たちも気軽にまちに出て行けるようになったのは、大変に喜ばしいことだと思っています。

しかし、私自身が最近よく遭遇し、迷惑に思っていることがあります。多目的トイレには子育て中のお母さんやお父さんが子どもさんのおしめを替えられるよう、折りたたみ式のベビーベットが設置されています。普段は折りたたまれていて、使用する際にそれを開くとベットになるというものなのですが、大概このベビーベットは入り口付近の壁に設置されていることが多く、その折りたたみ式のベットが開いたままの状態になっていることが多いのです。

折りたたみ式のベビーベットが開いた状態になっていますと、トイレのドアを開けた瞬間障害物に行く手を阻まれる形になり、余裕がある時はよいのですが、〈緊急事態〉の時はもう...と天を仰ぎたくなります。子ども連れの方が使用してそのままにしておくとは考えられないので、健康な人達が多目的トイレを使用しようとして、丁度荷物を置くのに手頃な感じなのでカバンやエコバックなどをベットに置いて用を足し、そのままベットを開いた状態で出て行くのでしょう。

健常者の方は多目的トイレを使用するな! とは言いません。エレベーターと同じで誰が使用してもよいのです。ただ、使用するのなら自分のことばかり考えないで、他者に対する想像力を働かせてほしいと思うのです。どうして多目的トイレにはあの広さが必要なのか? ベビーベットを開いたままの状態にしておくと、次に使用しようとする人がどんなに困るのか? 想像を巡らせてほしいと思うのです。それと本来の使用目的以外には、どうか多目的トイレを使わないでいただきたいのです。

ひとりひとりの他者に対する想像力が、誰もが暮らしやすいまちを育んでゆくのですね。

週末の雨が嘘のように、今日は爽やかな青空が広がり、爽やかな風も吹いています。初夏という感じでしょうか? もうしばらくするとチェアウォーカーにとって一番嫌な季節〈梅雨〉がやってきます。それまでの間、初夏の爽やかさを楽しもうと思っています。

先週の土曜日のことです。友人が某いけ花展にお師匠さんたち三人で共作して活けた作品を出品しているというので、小雨の降る中名古屋まで出かけました。午後からもこれまた知人の絵画の個展が、いつもお世話になっているくれよんBOXさんであり、その個展を観に行くついでに立ち寄ったのです。

そのいけ花展は、名古屋では有名な老舗デパートの催事場で催されていて、いけ花展の入り口で友人が送ってくれた入場券をもぎりのお姉さんに渡そうとしたところ、お姉さんから「身体障害者手帳は持っています?」と尋ねられましたので「はい。持っていますよ」と答えて、ショルダーバックから手帳を出して示しました。するとせっかく出した入場券をもぎらずに返してくれ、そのまま会場に入れてくれたのでした。入場券を示しているのですから、わざわざ身体障害者手帳を確認するまでもなく、そのまま会場に入れてくれればよいのに...、

まあ、もぎりのお姉さんに悪気があったわけではないのは解っているのです。手帳を示すと公共交通機関や公共施設への入場料や拝観料、映画館などの娯楽施設までもが割り引きになったり、無料になるところもあります。私もその制度の恩恵を随分受けています。しかし、この場合は明らかに行き過ぎでしょう。マニュアルに従ったまでなのでしょうけれど、なんとなくもやもやしたものを感じてしまいました。障がい者をひとりひとりの人間としてみるのではなく、〈障がい者〉をひとつの属性として捉え、一派一絡げ的な見方をされているような気がしたのです。なんとも複雑な気持ちでした。

 

GW明けの8日の金曜日、ピアカウンセラーのビギナーズ講座があって、京都に行ってきました。ピアカンのピアとは仲間という意味です。詳しいことは私の個人ブログ「大久保康雄?風の記憶」に書いてありますので、そちらをお読み下さい。http://yasuo-okubo.at.webry.info/

私は若い頃よりひとり旅をよくしていて、歩いていた当時はユースホステルに泊まり歩いていたものですが、電動車いすを使うようになって以来、ユースホステルはバリアフリーのところが少ないのでシティホテルかビジネスホテルに泊まるようにしています。以前は自分で旅の行程を組んで旅行社に公共交通機関のチケットの手配を頼むだけでしたが、最近では旅行社に行き帰りのチケットから宿泊するホテルの予約までお願いすることが多くなりました。

新幹線で移動する場合、車いすを使用している人は11号車に乗ることになっています。みなさんの中にも新幹線の11号車の前のドアだけ幅広になっていることに気がつかれている方がいらっしゃるでしょう。11号車には車いす用の個室とオープン席がありますが、私は大抵オープン席を予約します。N700系新幹線の車いす用個室は広く造られていますが、それ以外は狭苦しくひとりで個室に入っていますと気分が滅入ってくるからです。今回も行きも帰りもオープン席を予約しました。新幹線での移動は快適だったのですが...。

宿泊したホテルは京都駅前で交通の便もよく、夕食やコンビニに出かけるにはとても便利でした。しかし、なにぶんにも旧いホテルなので、玄関がバリアフリーに対応していません。辛うじてホテルの横の方に路地のようなスロープが付けられていて、一般の宿泊客とは別の入り口からホテル内に入るという有り様でした。このホテルにはバリアフリールームはあるのですが、宿泊料金が高いので部屋の入り口が車いすのまま入れるスペースがあるか確認してからシングルルームを予約したのは先の記事にも書きました。確かに部屋には車いすのまま入ることはできたのですが...。

入るには入ったものの、部屋のドアは内開きのうえに、部屋の中には車いすを一回転させるスペースがありません。つまり一度入ると、自分ひとりでは出られないのです。これにはかなり焦りました。でも、まあ幸いなことに私は何かに掴まれば歩けますので、部屋のドアを開けたまま電動車いすを手動に切り替え、後ろ向きで部屋から出た後で電動に切り替えて車いすに乗り込む...という方法で対応しました。

教訓1.チェアウォーカーはなるべくバリアフリールームに泊まろう。

教訓2.普通の部屋に泊まる場合には、部屋の中に車いすのまま入れるスペースがあるかどうか確認すると同時に、部屋の中で車いすが回転できるスペースがあるかどうか確認してから予約を入れよう。

 

 

GWも後半に入りました。みなさんはどのようにお過ごしでしょうか? 先の記事にも書きましたように、普段が普段だけに、私にとってのGWは休養週間でもあるのですが、昨日は5日ぶりに名古屋に出て、名古屋市の中村区にあります地域活動支援事業所〈ひょうたんカフェさん〉のバザールに行ってきました。

NPO法人ひょうたんカフェさんが手がけているのは、さおり織り製品の製作・販売を行う〈おりの穴〉という、ちょっとユニークな名称のディ・サービス施設と、豆腐製品の製造、販売を行う〈ひょうたんカフェ豆腐店〉。バザールではこのさおり織り製品と豆腐製品を中心に販売されていました。

私はどちらかと言えば食い気専門なので、豆腐製品を買いに行ったのですが、ここの豆腐は知的障がいをもった人達が手作りしていて、価格はスーパーなどで売られている市販の豆腐よりも少し高めですが、大豆本来の味と甘みが濃厚で美味しいです。また絹ごしや木綿豆腐といった定番の製品だけではなく、黒ごま豆腐や青大豆豆腐、それにおからで作ったシフォンケーキや、豆腐プリン、豆乳生キャラメルなど、オリジナルな豆腐製品も開発・販売されています。

最近は地域活動支援事業所も既成のものではなく、オリジナルブランドを作って販売するところが多くなっています。非常によいことだと思います。そういえばmixiのニュースで読みましたが、大阪の授産施設「あすなろ」が作っている〈あすなろ麺(うどん)〉がフランスの総合食品コンテスト「モンドセレクション」のシリアル部門で2008年の金賞を受賞されたそうですね。

そのうちに障がいをもった料理人(もういるかもしれませんね)がシェフを務めるレストランが、ミシュランガイドの三つ星を取ったりして...。それも夢ではないでしょう。

プロフィール

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  • 大久保康雄
  • 脳性マヒでチェアウォーカーながら、ある時は小学校?高校の福祉の〈総合的な学習の時間〉や、実践教室の講師。ある時はライター、またある時は紙芝居「風穴一座」の座長。そしてまたある時はNPO法人まちの縁側育くみ隊の理事。多様な顔を持ちつつ、様々な形のまち育て活動を通してやさしさの種まき作業に関わっています。
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