私が市民活動をはじめた10年前に比べ、まちの中のハード的なバリアフリーは進んできています。いつも利用する地元の最寄り駅も昨年の4月にエレベーターがつき、多目的トイレが設置されました。そのおかげで名古屋へ出るのが楽になりました。名古屋の市営地下鉄の各駅にも、現在エレベーターをつけたり、自動改札の幅を広げる工事が進められています。
エレベーターもそうですが、チェアウォーカーがまちの中で一番困ることは、トイレの問題です。最近ではデパートや駅や公共施設だけではなく、まちの公園や地下街などにも多目的トイレが設置されるようになり、チェアウォーカーだけではなく、子育て中のお母さんやお父さん、内部障がいの方たちも気軽にまちに出て行けるようになったのは、大変に喜ばしいことだと思っています。
しかし、私自身が最近よく遭遇し、迷惑に思っていることがあります。多目的トイレには子育て中のお母さんやお父さんが子どもさんのおしめを替えられるよう、折りたたみ式のベビーベットが設置されています。普段は折りたたまれていて、使用する際にそれを開くとベットになるというものなのですが、大概このベビーベットは入り口付近の壁に設置されていることが多く、その折りたたみ式のベットが開いたままの状態になっていることが多いのです。
折りたたみ式のベビーベットが開いた状態になっていますと、トイレのドアを開けた瞬間障害物に行く手を阻まれる形になり、余裕がある時はよいのですが、〈緊急事態〉の時はもう...と天を仰ぎたくなります。子ども連れの方が使用してそのままにしておくとは考えられないので、健康な人達が多目的トイレを使用しようとして、丁度荷物を置くのに手頃な感じなのでカバンやエコバックなどをベットに置いて用を足し、そのままベットを開いた状態で出て行くのでしょう。
健常者の方は多目的トイレを使用するな! とは言いません。エレベーターと同じで誰が使用してもよいのです。ただ、使用するのなら自分のことばかり考えないで、他者に対する想像力を働かせてほしいと思うのです。どうして多目的トイレにはあの広さが必要なのか? ベビーベットを開いたままの状態にしておくと、次に使用しようとする人がどんなに困るのか? 想像を巡らせてほしいと思うのです。それと本来の使用目的以外には、どうか多目的トイレを使わないでいただきたいのです。
ひとりひとりの他者に対する想像力が、誰もが暮らしやすいまちを育んでゆくのですね。




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