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豊かさ=幸せという幻想

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先週の金曜日、来年2月に催すジネンカフェ拡大版のパネリストのひとり、坂野尚美先生と打ち合わせるために名古屋大学へ行ってきました。現在は独立学校法人になっていますが、ちょっと昔は国立大学だった名大には私はもちろんいままで一度も足を踏み入れたことはありません。こんな機会でもない限り、名大なんて入ることもないでしょう。

坂道が多い丘陵地に建てられていますので、昔はさぞや交通の便が悪いところだったのでしょうが、現在は地下鉄の駅があり、エレベーターもつけられています。しかし...。大学内に入る、そこからが大変でした。構内への入り口に、よく公園などの出入り口に設けてあるようなUの字型をした鉄パイプが互い違いに設けられていて、人が通るスペースしかないのです。どうしようと思い、坂野先生に電話をしたところ迎えの人が来てくれて、その互い違いの鉄パイプを何とかクリアしてやっと名大の構内に潜入することが出来たのでした。

しかし、坂野先生との打ち合わせは、予想した通り面白いものでした。さすがに社会学者で心理カウンセラーだけあって、「現代」を見つめる視点がユニークです。拒食症や過食症とコンビニとの相関関係とか、統合失調症と日照時間の関係とか、どうして現代は心を病む人や、それが高じて自殺する人が多いのか...。統計的にみると北国の方の人より南国の人たちの方がうつになる率が低いとか、うつにかかるのには個人因子もあるけれど、社会的因子もあるとか、いろいろと興味深いお話を伺うことが出来ました。

いちいち頷けることで、特に「現代は物質的、金銭的に豊かでないと不幸であるといったような錯覚が社会の中にあるのではないか...」という指摘には、我が意を得たり...という気分でした。そこら辺の社会風刺は、私も『ムゲンの樹、水のない海』に書いているからです。

物質的に豊かになること=幸せに暮らせることとは限らないでしょう。確かに生活してゆくためには多少のお金は必要だけれど、実は幸せの定義なんて人それぞれにあってよい筈なのに、人は誰もが一応に豊かさを求めて邁進し、人と比べて「あの人よりも私は貧乏だから不幸だ」とか思ったりします。自分の人生をただ生きればよいのですね。豊かさ=幸せという幻想に惑わされてはいけないのです。

コメント(2)

ブログ、拝読しました。お題の通り、「金銭的、物質的な豊かさ=幸せ」というのは、今の資本主義経済が生み出した、ある意味で”見事”な幻想だと思います。
私もうつ病を発症してから、そのカラクリにようやっと気付きました。

自分に与えられた、また、自分で切り拓いた道で、”普通に生活できる”ということの幸せ。なんという幸せ!

お金でなんでもできるというのも、現代社会に渾然とある考え方(割り切り方?)の一つではあると思いますが、どうなんでしょうか・・・。
お金があればできることというのは、人間の持つ欲望の階層に比例しているように思えます。次ぎはこれ、次ぎはこれ!と際限がありません。
そして、際限が来た時、人は妙な孤独感とむなしさを感じることでしょう。

お金がなくても、物がなくてもできることの楽しさは、当然失われていき、些細なことでの感動が薄れていってしまうようにも思います。

自分の人生をただ生きる。とても大切なことと同感致しました。

人は何故生きる?
それは、命があるから。

ウエムクサムライさん、コメントありがとうございます。そうなのですね。確かにお金があれば美味しいものをお腹いっぱい食べられるでしょうし、欲しいものを何でも手に入れることが可能でしょう。でも、おっしゃる通り人間の欲望には際限がありませんから、そのうちいつでも飢餓状態にいるようになってしまうのですね。そして本当に自分が望んでいたもの、大切にしなければならないものまで忘れてしまう…。それよりは自分に与えられたものを受け入れながら、ありのままの自分を生きる方が素敵な生き方だと、私には思えるのです。ご賛同下さり、嬉しかったです。

プロフィール

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  • 大久保康雄
  • 脳性マヒでチェアウォーカーながら、ある時は小学校?高校の福祉の〈総合的な学習の時間〉や、実践教室の講師。ある時はライター、またある時は紙芝居「風穴一座」の座長。そしてまたある時はNPO法人まちの縁側育くみ隊の理事。多様な顔を持ちつつ、様々な形のまち育て活動を通してやさしさの種まき作業に関わっています。
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このページは、大久保康雄が2009年11月 4日 13:36に書いたブログ記事です。

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