息子の病気がわかったのは妊娠7ヶ月の時。
それまで母体、胎児ともに経過は順調で、つわりも軽い方だったので、仕事も続けながら楽しく妊娠生活を送っていた。とにかく母子一体となっている感覚が嬉しくてたまらなかった。
胎児診断(出生前診断)は特に受けるつもりはなかったが、ひとつだけ導かれるように申し込んだ検査。
それが胎児心エコー検査だった。
妊娠初期の頃、たまたま読んだ新聞記事で先天的な心臓病をもって生まれてくる赤ちゃんは100人に1人の確率だと言うことを知った。
100人に1人って結構な確率だな、と思った。
それまで身近に心臓病の人がいなかった。でもそれは気がつかなかっただけで、知り合いの中にも先天性心疾患の方がいたのかもしれない。遠くに感じていたものがぐぐっと距離が縮まった。
記事には出生前診断で予め心臓病だということがわかっていれば、出生直後に適切な処置を受けられ、救われる命があると書いてあった。
命の選別をする検査ではなく、生きるための検査。
そう強く感じた私はオプションの検査の中で、胎児心エコー検査だけを申し込んだ。
もしあの新聞記事に出会わなかったら、そして通っていた病院が胎児心エコー検査を実施していなかったら、心エコーを受けず、病気がわからないまま出産を迎えることになったに違いない。
息子はおなかの中では最後までとても元気でトラブルは皆無だった。心音も胎動もしっかりしていた。
でも産まれて肺呼吸をはじめた途端に苦しくなり、すぐに呼吸器をつけ、そのまま手術を受けた。
事前に病気であることがわかったおかげで助かった命。
おなかの中で赤ちゃんの病気を告げられることは本当に残酷なことだ。
知りたくなかった。
一時は出産まで行き着ける自信がない、一生おなかの中に入れておきたいと本気で願ったりした(笑)
でも胎児診断により、生まれてくる赤ちゃんを万全な体制で迎える準備ができたことを今では本当に感謝している。
生まれてくる前に信頼のおける病院を選び、治療方針をたて、さまざまな手続きができたこと。
そして何より親として病児を向かえる心構えができたこと。
胎児診断で得られたメリットは計り知れない。
それにしても、当初は受けるつもりがなかったのに、ぐいぐいと見えない力に押されるようにして検査を受けて、そして病気の告知を受けた。
まるで未熟な私たち夫婦に赤ちゃん自身が導いてくれたんじゃないか、今でもオットと話をする。




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