突然ですが、「障害者自立支援法」という法律を知っていますか?
この法律は、障がい者が利用した福祉サービスの1割を負担しなければならないというものです。
その福祉サービスの中には、就労関係でいえば、一般企業などでの就労を希望する障がい者が期限内に必要な訓練を行う「就労移行支援」、一般企業での就労が困難な障がい者を雇用し、職業能力の向上を図るという「就労継続支援A型(雇用型)」と現状で雇用が難しい障がい者に就労機会を提供し、雇用移行に向けた訓練を行うという「就労継続支援B型(非雇用型)」があります。
つまり、就労に向けた職業訓練を行うために、福祉サービスを利用して授産施設や小規模作業所などに通う場合には、その利用料の1割を負担しなければならないというものです。
ということは、障がい者が福祉施設に就労活動をする(工賃を得る)ために通うその都度、利用料の1割を支払わなければならないのです。
そのほかに、昼食代の実費を支払わなければなりません。
何を言っているか理解できますか?
言ってみれば、皆さんが会社に給料をもらうために、毎日会社に通うたびにその利用料の1割を負担しなければならないというものです。
なんか変だと思いませんか?
なぜ、障がい者だけが生活の糧にするために、工賃(給料)をもらうために施設を利用するたびに1割のお金を払わなければいけないのでしょうか。
障がい者のほとんどの方は、障害基礎年金(2級月額:6万6千円)と1万2千円くらいの工賃しか収入の道はないのです。もちろんほとんどの方はボーナスもありません。
また、地域生活をするためにグループホームやケアホームを利用した場合には利用料のほかに家賃・光熱水料・食費などの支払いも生じます。
国の施策として「福祉から雇用へ」や「入所施設から地域生活へ」などと声高だかと叫んでいますが、障がい者への「収入保障」もないまま、地域へ地域へと唱えても「絵に描いたもち」になってしまうのではないでしょうか。
2003年4月から「支援費制度」が始まりましたが、思わず多くの福祉サービスの利用があったため財政崩壊になったことから、2006年4月から「障害者自立支援法」が施行されました。(蛇足ですが、この法律を企画・立案した当時の課長が郵便不正利用に加担したとして逮捕されました。)
その後、障がい者団体などの猛烈な反対にあい、施行の翌年の2007年4月には特別対策として負担軽減策をとり、さらに同様な反対にあい2008年7月から緊急措置としての軽減策をとっています。
しかし、基本的な「応益負担」は変わっていません。
障がい者が福祉サービスを利用することは「益」だというのですよ。
障がい福祉サービスは、とうぜん「社会保障」ですよ。
今の国会に、現行法よりはいくらか使い勝手が良くなるという「障害者自立支援法改正案」が上程されていますが、7月28日までの会期もあとわずかです。
また、総選挙などの話しで盛り上がっているようですが、改正案の審議はどうなってしまうのでしょうか。
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